マイホームを所有する上で避けて通れない課題の一つが一戸建ての定期修繕です。
築年数の経過とともに発生する修繕工事は、計画的に準備していないと大きな経済的負担になることもあります。
この記事では、一戸建て修繕費用の相場、修繕箇所ごとの費用の目安、費用を抑えるためのポイントなどを徹底的に解説します。
一戸建てを定期的に修繕する重要性
住宅を安全・快適な状態に保つために、一定周期で修繕や点検を行うことが必要です。
外壁や屋根、給排水設備、内装、基礎部分など、
経年劣化する部位を中心に計画的なメンテナンスを行うことで住宅の寿命を延ばし、資産価値を守ることができます。
修繕を行わなかった場合、
住宅の根幹となる部分に大きな問題が発生するだけでなく、
大規模な工事が必要となり一時的に住居を離れないといけない、
買い替えなどのリスクが生じるなど「衣食住」の根幹となる住環境の不安定さにつながります。
一戸建て修繕費用の相場と項目別の内訳
築年数別の修繕計画の大まかな流れは下記の通りです。
地域差・施工品質・メンテナンス状況によってもこれらの時期は前後します。
築年 | 主な修繕内容 | 備考 |
---|---|---|
5年 |
・外壁・屋根の点検 ・コーキング補修 ・給湯器の点検・清掃 |
早期劣化の兆候を確認する予防的な点検 |
10年 |
・外壁塗装・シーリングの補修 ・屋根塗装(スレート等) ・給湯器の交換(寿命目安) ・水回り(キッチン・トイレ・浴室) の部品劣化点検 |
外装・設備のメンテナンスが本格的に必要 |
15年 |
・防蟻処理の再施工 ・床下・基礎の点検 ・配管劣化の点検 |
シロアリ対策や基礎部分の見直しが必要 |
20年 |
・外壁・屋根再塗装または葺き替え ・トイレ・キッチン・浴室の設備交換 ・内装(壁紙・床材)の張替え |
内外装の大規模リフォームのタイミング |
25年 |
・電気設備(分電盤・配線等)の点検更新 ・断熱・窓の見直し(省エネリフォーム) |
見えない部分の老朽化も考慮 |
30年 |
・構造材の本格点検(柱・梁) ・全面的なリノベーションの検討 |
長期居住を前提とした大規模改修の時期 |
修繕項目ごとの費用相場
外壁塗装 約80〜120万円
屋根修理 約100〜200万円
キッチン交換 約100〜150万円
浴室リフォーム 約80〜130万円
トイレ交換 約20〜50万円
給湯器交換 約15〜30万円
シロアリ対策 約10〜30万円
一戸建て修繕費用の積立と今後の備え
修繕積立の方法と目安
一戸建ての場合、マンションのような修繕積立制度がないため、自主的な積立が必要です。
一般的には、毎月1〜2万円程度の積立を目安とすると良いとされています。
別口座を作る、定期預金にするなど、普段の生活とは別の財布を作ることで切り崩すことなく積み立てていくことが理想です。
保険や補助金の活用も視野に
火災保険や地震保険の一部では、自然災害による損害を補償できる場合もあります。
また、自治体によってはリフォーム費用への補助金制度を設けているところもあるため、
事前に各自治体のHPなどを確認しておくと修繕をよりお得に行うことができることもあります。
一戸建ての修繕計画で資産価値と安心を手に入れよう
今からお家のご購入を考えられている方にとっては住宅の購入資金やローンの支払額について考える一方で、
こうした修繕計画は行き当たりばったりのように支出が発生する際に考えがちです。
定期的な点検とメンテナンスを行うために計画的な費用準備をしておくことで、
予期せぬトラブルや急な出費を防ぎ、快適な住環境を維持することができます。
戸建住宅はマンションとは異なり修繕積立金のような毎月の支払が発生しないため、
定期的に訪れる修繕費が巨額に感じられる場合もありますが、事前に知識を持ち計画を立てておくことで無理なく対応できます。
今から準備を始めることで、将来のトラブルや想定外の出費を大きく軽減することが可能です。